2005年6月10日(金)04:45
もうとっくに夜が明けているはずの時間なのに、空は夜の闇につつまれている。
皆を乗せた段ボール箱は、暗黒の森の中をゆっくり流れて行った。
「そうか・・・・みんなこの画像を見たのか・・・・」
鬱井は携帯を取り出し、真剣な面持ちでバレスレの過去ログを覗いている。
バレスレには、口にガムテープを貼られて、拘束されている鬱井の妹の画像がうpされていた。
その背後のテレビには今日放送されたはずの深夜アニメが映っている。
「無事だということを知らせるためにわざと映しているんだ・・・・」
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そうか・・・・ || |l|
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みんなこの画像を見たのか・・・・ l| |Υll| [||||] _________.:::.| |l|
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「ところで、アンニュイさん」
声をかけられて、アンニュイと鬱井は携帯から目を離して顔を上げた。天然ショボーンの目が血走っている。
「どうしてそんな色っぽい格好をしてるんでつか・・・・・・?しかも鬱井さんと二人で・・・・ハァハァ」
(しまった・・・・・こんな逃げ場の無い場所で・・・・)
「私は801ネタは好みませんが、鬱井さんの裸体ならば・・・・」
こんにゃくしゃの奥ゆかしい瞳の奥にも、ぎらりとした光が宿った。
∧ ∧
/;; ヽ. / ヽ 私は801ネタは好みませんが
,,;';;; :  ̄ ̄ 、ヽ 鬱井さんの裸体ならば・・・・フフフ
;;;;:: _人 _人 丶
;;;: ヽ/ ヽ/ l キュピーン
;;:::" (__人_,ノ " リ
、;;::: ┌─┐ ,/ _,,.. -――─- 、、
_ノ⌒)─(⌒`、_ !、 ,. ‐'"´
._,ノ─┘ヽ / 身の危険を感じる・・・・・
 ̄ ̄ / (・) '⌒i
/ ‐く
i 、__,ノ
l (・)
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.|  ̄ ̄`ヽ
| ___,ノ
!
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丶、
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天然ショボーンの指先が、アンニュイの肌に触れる。
アンニュイは慌てて後ずさり、離れようとしたが無駄だった。
「ふふふ、かわいいでつね・・・」
不安定な段ボール箱の上で絡み合う二人を眺めながら、鬱井はため息をついた。
(はぁ・・・こんな限られた空間で、男二人、女二人、謎・約二名・・・・ともなると・・・ん、謎二名?)
「そういえばマガフライとKIRAって」
どっちなの?と訊こうとして、鬱井はこんにゃく者の首筋にうずめていた顔をあげた。
「うああああああああ!!マガフライがwwwwwwwwwwwwちょっとwwwwwwwwっをまwww」
KIRAは、どっかの河渡りの知能テストに出てくる家族の如くに
四人が目を離した隙をついて、マガフライの衣にガツガツ喰らいついていた。
もう既に半分くらい喰われている。
∧ ∧ 人_ ┓
(,,`・ω・)o (゚Д゚;)|
__________( o ノノ | . .⊂)__ハッ____________
〜 / ヽ( アルェー ∧∧ ....u−u' ├―-┤ _,,.∧__∧ /\
〜 / ノ从ハ、.,...,(*'-.') し⌒ J ノ / , (ω・` )ヽーっ / /
〜 / (´△`ヾ、.:,;';:⊂) /i ) l ,3と )`_つ / / |
/ '、;:§..: ,:. :. :.、.:',.: ., ,, ゞ.´ -‐i ) `'ー-し−J'" / / 〜 三 〜
〜 / `"゙' ''`''`゙ `´゙ ゙  ̄  ̄ ⌒Y / /三 〜
〜/| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|\/〜 三
/ | |
〜三 〜〜 (V) (V) 三〜 三〜 〜 三〜三〜 〜三〜 ̄ 〜 三〜 〜 〜三´´〜
〜 三 ミ( ゚皿゚)彡─┛~~ 〜 三 〜 〜〜 〜〜三〜〜三〜 〜 〜三〜〜三〜
「ちょっと!!アンニュイたちもそんなことしてないで早くとめて!!」
「どうしまつた?」
「うわっ!!カニバリズム!!!!」
「呼んだ?」
アンニュイが「カニバリズム」と叫んだ瞬間、
突然水面が大きく盛り上がり、巨大な蟹玉キモハゲが姿を現した。
その勢いで段ボール箱は転覆し、皆は散り散りになって河の底に沈んでいった。
| ̄ ヽ / /
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/ \ | ヽ / / / |
| \ | } { / / |
| \ | / \ / / /
| \ | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ\// / 呼んだ?
ヽ \|// \ 7 ̄ ̄―-、_
\____>/ ○ ○ Y ,― 、― ´
/ \ レ へ \
 ̄ ̄ ̄ ̄>― 、\ | ̄| ̄| ̄| ̄| レ' \ \
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∠_/ \ / \ \
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ショボーンとこんにゃくしゃは、気がつくと、見知らぬ海岸に打ち上げられていた。
うっすら明け始めた紫色の空の下に、
海岸線を走る道路、岩場、そしてその傍に停まっているバイク、寂れた海の家などが見える。
「あっ!」
ショボーンは、沖まで伸びた防波堤の傍に、ひっくり返った段ボール箱と
その上でぐったりしているマガフライを発見した。
「マガフライさん!!」
二人はマガフライの傍に駆け寄った。
「こ・・・・コロモが濡れて力が出ない・・・・・・」
マガフライは、既に半分以上喰われた、海水でぐしょぐしょの衣をまとって、
逆さまになった段ボール箱の上に息も絶え絶えで寝そべっている。
「大変でつ!!これは、新しいコロモをつくらなくては!!」
「そうですね・・・・でも、まずその前に、この段ボールが沖へ流されないようにしましょう」
こんにゃくは、どこからともなくロープを取り出し、段ボール箱と近くのテトラポットを結んだ。
その時、テトラポットに何かが引っかかっているのを見つけた。
「あ、これは」
「なんでつか?」
「アンニュイさんのライターですね・・・あとで返さなくては」
「タバコはキモハゲの命でつからね。それにしても、他の3人はどこへ・・・」
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