ゴトッ

その時、裏庭の中心に飾られている、本家キモハゲを模った石像が僅かに動いた。

鬱井「?」

鬱井はカーネーションの茂みの中に身を潜め、様子を伺った。
像の土台を支えている石の一部が外れ、中から二人の人影が現れた。

KIRA「ああやっと外に出られた。これ作った奴氏ねよ」
アンユイ「長かったねー。どうなることかと思ったけど、出られてよかった」

こんにゃく「アンニュイさんとKIRAさんですね。二人ともどうやら無事だったようです」
ショボーン「良かったでつねこんにゃくさん!では、さっそく下に降りて合流しまつよ。
    アンニュイさんに、このライターも返さなきゃでつ」


像の下から地上へ這い出してきたアンニュイとKIRAに、
黒いローブに身を包んだ怪しい人影が近づいてきていることに
こんにゃくとショボーンはまだ気づいていなかった・・・


アンユイ「さて。出られたはいいけど、これからどうすればいいんだろう」
KIRA「どうって、鬱井の妹を救出するんでしょう?
   鬱井はもう死んだものと考えて、二人でやるしかないね」
アンユイ「ま、まあ・・・道を間違えたら命の保障は無いって言われたのに、
   行っちゃったからね・・・でも、まだ諦めること無いと思うけど・・・」


鬱井「・・・・」

すぐ二人に声をかけようと思っていた鬱井だが、出るタイミングを失ってしまった。
それに、鬱井の腕の中で意識を失ってぐったりしている、可愛いえるたんをどうすればいいだろう。

いっそのこと妹のことは後回しにすべきではないだろうか・・・


?「待ちなさい、そこの二人」

KIRA「?!!」
アンユイ「誰?」

鬱井(?!)
物思いにふけっていた鬱井が顔を上げると、アンユイとKIRAの目の前に、
全身黒いローブに身を包んだ、怪しい人物が立っていた。


?「良く来ましたね。アンニュイキモハゲさん。KIRAさん。
  私がこの誘拐を仕組んだ張本人です。

  私の名前は・・・」




こんにゃくとショボーンは、塔の階段を下りて、庭に出るための扉を探そうとしていた。
すると、廊下の向こうから、何か沢山の数の足音が近づいてくるのが聞こえた。

「うわあああ!!腐女子怖い!!!」
「総督!!逃げないで現実と戦ってください!!」
「えるたぁ〜ん??(*´Д`)ハァハァ。
 あなたたちちょっとどきなさい!前を走っているはずのえるたんが見えないわ!!」


その狂気に満ちた群れは、こんにゃくとショボーンのすぐ隣を駆け抜けて、城の階段を上っていった。

ショボーン「・・・・」
こんにゃく「本当に、どうしたんでしょうね彼らは・・・
      あ・・あそこに扉があるようです。外に出ましょう」



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