かれこれ数時間以上走り続けたおっかけに、そろそろ本当の限界が近づいてきた。

おっかけ(め・・・目の前がチカチカす・・・・
     視界が・・・だんだん・・・・・・・暗く・・・・)

このままでは絶対に逃げ切れない。それならば、一か八か・・・

おっかけ「フォォォォォ!!!」
イノセンス軍団「?!」

おっかけは最後の力を振り絞って、スパートをかけ
前方を走るイノセンス軍団の群れの中に突っ込んだ。

ショボーン「あ、うさぎさんが加速しまつたよ」

そしてこんにゃくとショボーンは、その様子を塔の上から見物している。

おっかけがイノセンス軍団を僅かに追い抜いたそのとき、
彼らは城の裏側に回りこみ、一瞬、鬱井姉弟の視界から建物の影に隠れた。


おっかけ( 今だ!! )


おっかけは、城の裏庭に咲いている、カーネーションの茂みの中に飛び込んだ。

息を殺してうずくまるおっかけのすぐ傍を、バタバタと足音が通り過ぎていく


「えるたぁぁぁぁぁん。ちょっと!邪魔よあなたたち!!」


足音と共に遠ざかっていく声を聞いて、おっかけは胸をなでおろす。

おっかけ「はぁ、はぁ、はぁ、・・・・た・・・
     たすかっ・・・た・・・
     ぷはぁ・・・はぁ、はぁ・・・」


しかし、死に物狂いで脇目も振らず走っていた彼は
鬱井姉と鬱井との間に差が開いていたことに気づいていなかった。

鬱井 「えるたん」
おっかけ「 え 」

ピンク色のカーネーションの茂みの中から顔を出して、はぁはぁと喘いでいるおっかけと、
向こう側から走ってきた鬱井の視線が、ばっちりと合ってしまった。

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鬱井「えるたぁああああん!!!」
おっかけ「!!」
鬱井「えるたん!かわいいよ!!このカーネーションと同じ、ピンク色をした頬!!
   そして艶かしい吐息・・・・!!!」

鬱井は、おっかけが逃げようとする間も無いうちに
カーネーションの中にダイブし、おっかけことうさみみえるたんを押し倒し


その唇に貪りついた。


おっかけ(!!!!!!ちょ・・・)


ショボーン「あああっ・・・」
こんにゃく「・・・・・・」

その鬱井の余りに情熱的なキスを見て、こんにゃくの心には切なさが込み上げてきた。
それはキモハゲ城に向かう途中、河を下るダンボールの上で
鬱井が自分にしてくれたキスとは、似ても似つかぬものであった。

こんにゃく(鬱井さん・・・やはり・・・私ではダメなのでしょうか・・・)

    ∧_∧
   ( ´・ω・)    ・・・・・。
   (つ旦と)
   と_)_)

鬱井の唇はうさみみえるたんの小さな唇の上に完全に覆い被さり、
その薄く小さな舌を吸い上げたかと思うと、突然その歯を舌でこじ開け、口内を蹂躙する。

おっかけ「げbっ・・ゴッホゴホ、ゲフッ」
    (やば・・・その、気持ち悪いとかそれ以前に・・・
     息ができ・・な・・・もう・・・
    っちょ・・・・マジで・・・・
       酸素が・・足りな・・・
                   い・・・・)

ただでさえ長時間走り続けて限界寸前だったおっかけの視界は、ついに暗転した。

鬱井「あれ?えるたん??えるたん?どうしたの??」

おっかけえるたんは、鬱井のと自分のが混ざり合った唾液をたらしてぐったりしている。


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